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現代日本人は内面的崩壊を来している

- 2018.06.12 Tuesday msophia

自分の身勝手さから縁もゆかりもない人をなたで切り付けて平然とした顔で警察に連行されていく犯人を見ていて、救いようのない確信犯だと思った。子供のころは成績は優秀だったそうだが、どこから彼の人生は狂い始めたのか犯罪心理学者や臨床心理学者も頭をひねるのではないだろうか。先だっての新潟の少女殺人事件では逮捕された犯人の顔には人を殺すような凶暴性は見られないごく平凡な様子だった。最近では一見平凡そうに見える人達の凶行が目に付く。親子の絆が切れたから、凧の糸がきれたかのように子供が凶行を起こすとは限らないのが普通のはずだが。彼等には人を殺したり傷つけたりすることが非社会的な犯罪行為だという認識が全くない。きわめて独善的で自己弁護を平気な顔でする。最終的には事故の犯罪の遠因を他者に求める。この独善的な自己弁護的な生き方が自分の非社会性を引き起こしている自覚が彼等にはないのである。また、たとえその自覚があっても平気な顔をしている。従って従来の刑法犯での弁護活動にみられるように、精神能力の欠如を理由とした減軽の要求も弁護士はできないだろう。平然と人を殺すのは異常人格者ではあるが、自己の行動の善悪を判断できない精神能力が欠落した人間だとは認められないだろう。昨日の事件で最も可哀想な人は女性を助けようとして何十か所もなたで切り付けられたあげく亡くなった善意の第三者である。犯罪は新たに恨み、怒り、復讐を引き起こす。犯罪は被害者のみに止まらず社会に大きなインパクトを与えるのが一番恐ろしい。類似の犯罪が起こらないことを祈るばかりである。

話は変わるが、梅雨の始まりである。昔覚えた英語にThe rainy season has set in.というのがあった。当時の英語学習は全くわけもわからずに丸暗記するのみだった。この英語でTheがないと誤りであるし、またhasはisでも宜しい。set inをstartedに置き換えるのもいいがやっぱりset inのほうが宜しいのである。当時は何にも知らずに丸暗記ばかりした英語学習だったが、当時の自分が書く英作文は自分が知っている英語をモザイク調に寄せ集めただけで、独善的で学習の本質が理解できていなかった。採点をする英語の先生は笑っていただろう、いやいや、よく考えると成績は良かった独善的なあの若者にも私は劣るのか、と今になって気づく。独善性と偏向性が芽生える可能性は誰しもあるのだろうが、両親や本人、教師がそれに気づいて是正できるか否かが予後の人生を左右するのだ。

私が高校生の頃に戦前の人だった父親から「お前みたいなアメリカ教育を受けた人間はろくなことにはならない」と言われたことを思い出す。過激な受験戦争に打ち勝つためにただただ合格を目標に一年だけ体を壊すほどに勉強をした後に第一志望校へ合格できなかった悔しさは今でも覚えている。私はゲバ棒を振り回して人を傷つけることはしなかったが、大学闘争の心の内面に与えた傷跡は大きかった。よくよく思うとここまで来るのに随分と遠回りをした私の人生ではある。私の人生はまさに偏向した独善性を是正するためにあったと今になって思う。独善性は人間なら誰しも大なり小なり持つ傾向であるが、これがないと主体性も、個性もない空虚な人間になってしまう。一方、独善性が若いころに是正されないと社会性のない人間となってしまう。独善性は諸刃の刃である。戦後の自由主義思想の浸透と相まって独善性に歯止めが利かない人間が激増している。現代日本人はこのままでは内面的に崩壊していくおそれがあると、私は危惧する次第である。
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