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医学部では留年と国試浪人が増加

- 2018.03.31 Saturday msophia

私が6年前に予備校や自分の塾で教えた4名の生徒が某私立医学部に進学したが、ストレートに医学部を卒業したのは1人のみだった。内訳は2名は卒業試験で失敗し留年となり、残り1名は2年時で留年しトータルで2年遅れているらしい。しかも卒試は合格した1人の生徒も国試で失敗してしまっている。難関の医学部へ進学しても卒業できなっかたり、国試におちたりしたのではお金と時間がもったいない。授業料だけでも1年留年で500〜600万円支払わなければならい。国試浪人とて予備校へ通うから授業料が200〜300万円かかる。開業医の子弟は金銭感覚が乏しいせいか、もしくはお金の有難味が分かっていないから多年在学という結果をまねくのだろうか。一般の家庭では想像できないことではある。

私立医科大の学生は浪人生活もかなり長い上に、進学後にまた留年、国試浪人と続けられては親もたまったものではなかろう。どうしてそういう状況を招くのか考えてみようと思う。まず第一に私立医科大は受験科目がセンター試験と比較すると国語と社会がない。それだけに暗記力を鍛えられるチャンスが少ないと考えられる。脳細胞は鍛えないと活性化しないことは常識である。彼等は国立医学部を目指す生徒に比べると、勉強量は6割程度で医学部に合格している。要するに彼等は勉強不足だが医学部という最先端の分野へ飛び込んでくるのだ。医学部の授業内容は暗記事項が大半を占める。入学後は文系系統の頭を使わざるを得ない。物理が満点取れたから合格できた人とか、数学だけはよくできていたという人ほど、入学後は授業についていけない恐れがある。私立医科大の受験者は暗記科目の生物を選択しない割合が高い。生物は満点など決して取れないのがその理由だ。ところが入学したら丸暗記を強いられるのが医学の授業である。国試となるとその暗記すべき量は膨大なものだ。医学の目覚ましい発展とともに医学生が学ぶべき量は比例して増加している。

私立医科大は開業医の子弟が多いから金銭的には恵まれているし、お金の有難味も分かっていないから勉強よりも部活動とそれに伴う飲み会に熱中する向きが多い。そいう生徒達は留年しても「そのうち卒業すればいいのだ」と安直に思っているようだ。要するに医学生としてのモチベイションが低いから勉強不足となり悪い結果が出てしまうのではなかろうか。。

ある私立医科大では同級生が120人いたのだが、1年目で20人留年、ストレートに6年間で卒業して、医師国家試験(国試)に合格できたのは40人ぐらいという。最終的に80人は国試に合格できるだろうと思われているそうだが、他の40人はいつの間にか転部して医学部から消えたり、卒業できずに放校されたりしているということだ。しかもその大学では卒業はできたものの、医師国家試験に受からず浪人している学生が200人ほど溜まっているというから医学ブームの裏事情は誠に厳しいものである。私立、国立併せて毎年8千人以上の医学生が誕生しているのだが、医学部に入りさえすれば、誰もが簡単に6年で卒業して医師になれるわけではないということを医学生は肝に銘ずべきである。

 学生を留年させるのは、大学側にも事情がある。国試合格率が低いと、文科省から補助金が削減されてしまうリスクがあり、見かけの合格率を高めるために、国試に受かりそうにない学生は簡単に卒業させない。だから生徒は猶更勉強をしなくてはいけないはずだが、本来が勉学嫌いな学生は勉強癖がついていないから高いハードルを乗り越えられない。一方、医師国家試験の合格率が高い大学では、「1学年約100人のうち6年で卒業できないのは2、3人」というほど留年が少ないという。なぜ、そんなにも差が出るのだろうか。

それは「医師になる」というモチベーションの違いなのではないかと思われる。医師国家試験の合格率が高い大学は、授業料が免除される代わりに9年間の地方勤務が義務づけられる自治医科大学や、授業料を大幅に下げて偏差値がトップクラスになった順天堂大学など、優秀で「医師になる」というモチベーションの高い学生が集まる大学が多い。医学部関係者によると、医学部1年目から成績がいい学生は、卒業するまでずっとその成績を維持する傾向が強いという。彼等はよい意味で勉強癖が身についているから試験上手だし、授業を聞いてノートをまとめるのも上手い。今後医学部の授業は益々進化するだろうから更に細かいことを記憶し、学習しないといけないだろう。勉強嫌いな学生は心を入れ替えないととんでもない結果を招くと思わないといけない。学生の分際で外車等乗り回している身分じゃないことをわきまえなくてはいけないだろう。特に私立医科大は多浪して漸く医学部に進学できる人が多いだけに留年は将来の進路選択にも影響を及ぼしかねないのである。

国試浪人や留年する生徒が多い医科大では、いかにして学生のモチベイションを上げることができるか考えるべきではないか。私立医科大は高い授業料を取っているのだからそれに見合う指導力を発揮するべきであろう。医学部合格したら医者になったも同然と錯覚してしまう生徒の意識を変えないと今の現状は変わらないのではないかと思う。今やテレビ、インターネットで医学的な知識が簡単に手に入る時代だ。モチベイションが低い医師は将来淘汰されてしまう恐れがあることを実感すべきである。


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