<< 元大関琴奨菊三役陥落 | main | 東筑高校と明善高校の違い >>

予備校講師の組合作りの効果

- 2017.07.30 Sunday msophia

河合塾の世界史講師が組合運動をしたせいか、コマを減らされ法的手段に訴えたそうだ。裁判所の判断が待たれる。元来予備校講師はコマは毎年契約更改でもって確保されるが、同じコマ数が毎年確保される保証はない。非常勤講師として扱われるから予備校がコマを与えなければ「くび」になるだけである。
今回の裁判のポイントは、労働契約法19条だ。この条文では、使用者に対し、客観的に合理的な理由があり、社会通念条相当だと認められない限り、これまでと同等の労働条件での契約をしたものとみなす、としている。この講師は、本来であれば、前年度と同様の契約が更新されていたと訴えている。河合塾では講師達が組合を作り経営者の不当な要求、解雇、コマ減らしに戦うつもりだったのだろうが、今のところ組合自体が動く気配はない。予備校講師は勝手気ままな連中が多いから集団行動は苦手だろう。この講師は組合への当てが外れたと思ったはずだ。河合塾講師組合は現実は経営者の意図をくむ御用組合かもしれない。
河合塾は全国展開を仕掛けた時代に、講師を確保する必要があったから専任制度を積極的に導入した。その専任には2種類あった。教材作成の権利をもち、夏冬にはボーナスをもらい、コマ数が多い専任。他方はコマ数は多いが、ボーナスはなくて、私学共済には加入できた専任。両者の収入の差は数百万あった。
この世界史の専任講師は前者の専任と推測できる。今の時代で河合で合計8コマもっている専任だから優秀な専任であろう。テキスト編集もしているだろうし、夏冬の講習会でも優先的にコマ数が確保できていただろう。首になった理由の一つが有給休暇獲得の運動を講師がしたことだそうだ。こういった休暇は予備校講師には違和感がある。本来、講師はかなり休暇は自由にとれるし、暇も多い。講師業に慣れたらかなりストレスも減り、楽しい仕事になるかもしれない。ただ昔は10コマが専任条件だったことと比較すると、現在は4コマで専任である。昔の4割しか河合も稼いでいないと推測できる。予備校講師が人並みにいい暮らしを望むのは現実的に厳しいようだ。ひとり者で、結婚はせずに、子供はいないが頭はそこそこ良く、人間とのかかわりが好きな人が向いているだろう。
予備校講師が華やかだった時代にはかなり恵まれた給料をとった講師も今や存亡の危機にある。しかし、河合塾の講師だから記事になる程度の注目度があったが、小型予備校ではコマの減少や首切りは普通に行われている。そこで働く講師は法的手段に訴えることもしない。これが現実である。この講師は河合塾をはずれて始めて今までの恵まれた環境に気づいたことだろう。
少子化が招くこういった社会現象に裁判官がどういった判断を下すのか注目したい。
  • Yahoo!ブックマーク
- | -




qrcode