<< 憲法改正の提案 | main | 元大関琴奨菊三役陥落 >>

東進予備校のアキレス腱

教育 2017.05.10 Wednesday msophia

FACTA ONLINEに掲載された記事

学習塾大手・ナガセのフランチャイジーで「東進衛星予備校」を神奈川、愛知、東京などで36校舎展開する「モアアンドモア」(横浜市緑区)が3月13日、民事再生法の適用を申請し破綻した一件が教育業界で話題となっている。

同社の在籍生徒数は2千人規模に達することからナガセは同日スポンサー基本合意書を締結し、「事業継続に向けて最大限の対応を図る」と発表。これをうけ東京地裁も迅速に再生手続開始決定を出した。そもそも申し立てのスケジュールも「受験シーズンに破綻すれば生徒に動揺を与えかねない」(ナガセ広報部)ため、国公立大の後期試験直後を選ぶなど周到に準備された。「プレパッケージ型民事再生」の模範事例といえる。

しかし、教育関係者は「この倒産でナ ガセが抱える問題が垣間見えた」と指摘する。帝国データバンクはモア社の負債総額を当初15年12月期の決算書から12億円と報じたが、再生手続開始申立書を確認したところ実際は47億円。決算書はデタラメで、しかもモア社の柏木秀信社長は資金難にもかかわらず16年に6600万円の役員報酬を受け取っていたこともわかった。こうした会社にナガセはスポンサーの責任として「校舎の賃料対応のため早急に6千万円貸し付ける」(申立書)という。

柏木氏の経歴が興味深い。慶大卒後、野村證券に入社してエリート街道を走っていた。しかし、金融法人部課長だった1988年、「地上げの帝王」といわれた最上恒産の故・早坂太吉会長らから巨額の資金を詐取していたことが内部調査で発覚。懲戒解雇された上、同年10 月に東京地検特捜部に詐欺容疑で逮捕され、90年に東京地裁で懲役3年、執行猶予4年の判決を受けた。

会社に無断の株売買でこしらえた損失を埋めるため、野村から内部資料を持ち出し「社外秘の推奨銘柄の特別運用だから必ず儲かる」などと信用させる手口でカネを受け取った。そのうえで早坂会長の株運用係をつとめた仕手筋「東京商工リース」元社長の土橋正彦と組んで、そのカネで別の証券会社を通じて鉄鋼、造船株を買っていた。しかし87年10月のブラックマンデーで大損し、悪事が露見したという。

実はナガセを一代で築いた永瀬昭幸社長も、野村OBだ。1974年入社で柏木氏の1年後輩にあたる。柏木氏はモア社の資金繰りが悪化してから「永瀬社長とは長年の付き合いで懇意にしている」と信用さ せ、出店資金名目で知人にカネを無心して回ったという。

ナガセ広報部は「当時野村の新入社員は300人もおり、同期ですら全員は把握できない。柏木氏とはFC新規加盟時が初対面で、その後もオーナーの会合で年に数回会う程度」と弁明するが、それならなぜ柏木氏がフランチャイズ加盟できたのか。「逮捕歴等について不覚ながらつい最近まで全く知らなかった。もし知っていれば、教育事業者として加盟を許可していない」(同)との回答を疑いたくはないが、いずれにしてもコンプライアンス体制に欠陥があるといわざるを得ない。

合理的なビデオ授業と斬新な広告戦略、証券マンらしい大胆なM&Aがうまくかみ合い業界に革命を起こしたのは確かだが、教育事業は人材事業。この本分は揺るがして はならない。

<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<
東進は講師を使う授業、いわゆる生の授業がコスト高となることを避けるために衛星放送という手段を用いている。
生の授業ではまともな講師がいる予備校のまともな授業には勝ち目がないことを承知していた永瀬氏が、放送室で何回も何回も収録し直した一人の講師がする一方的なお喋り授業を大手予備校の影響が及ばない地域にある学習塾をベースにして拡大した。配信といっても当初はビデオテープによるものであった。いつしかそれがCPを使っていつでも見れるデーターベースへと変貌。地方では高校生の学習環境が整備されていなかったから学習情報提供の場所として、さらに勉強場所として重宝がられるようになった。永瀬氏が学習環境を提供することがビジネスになることを看破したのは賢い。今の子供は自立心が不足しているから自習室でないと勉強ができないと思いこんでいる人が多い。優秀な生徒も、そうでない生徒も家で勉強しないでお金をはらって自習室で勉強するという妙な風潮をはやらせたのが、東進衛星である。余計なお金を払ってもらわないと東進ははやらないことを永瀬氏は知っていたのだ。
実を言うと16年前に東進が久留米に進出しつつあったころ、私は東京の東進本部を訪ね、フランチャイズの一翼を担おうかと思っていた。吉祥寺にある東進本部を訪ねたところが人っこ一人いない本部ビルみいたのは九州地区担当者一人のみだった。東進予備校と言っているが予備校生等一人もいないということが現場へ出向いて初めて分かったしだいだった。講師は代々木ゼミナールを辞めた連中がほとんどだった。代々木は講師給単価が5万になると辞めさせられるからいき場がなくなった口のうまい講師を安い給与で雇い、代々木の教材を磨きをかけてしゃべるようにしたのだ。あれから隙間を巧みについて伸びてきた東進衛星もついに化けの皮が剥がれたのだ。フランチャイズ方式で学習塾があげる利益の半分は取り、同じような授業をCDにコピーして生徒に見せておけばいいのだから、かなり楽な営業で収益が上がる仕組みができていただろう。しかも昨今はレベルが低めの生徒が東進へと流れる傾向がつよかったから、かなり駿台、河合塾への脅威となっていた。東京で起きたフランチャイズ校の経営破たんは永瀬にとって頭が痛いはずだ。破たんした塾の経営者が前科をもっていた人物だと知りもせずにいたとは、あの野村証券OBであった永瀬氏の言う言葉だから、信用できない。生の授業か配信授業のどちらを選択するかは個人の自由であるが、複雑なことを本当に分からせるには直接教える際も、先生である私はとても苦労することを思うと衛星放送の展開力にも限界があるだろう。質問してすぐに答えてもらえないのも衛星放送の欠点だし、勉強を教えるには温かい血がかよっていないと生徒には通じないとも思える。果たして衛星放送とは生徒にとって利益になっているのだろうか?永瀬氏は儲かることしか考えずにいたのではないだろうか?教えることは金儲けとは根本的にことなるものだという考えが永瀬にはないだろう。儲ければそれでよし、これが東進の経営哲学であろう。田舎の学生たちに優れた講師の授業を配信して彼らのためになりたい、ひいては日本の教育に貢献しようという考えがあったのあろうか?
久留米市内で東進衛星を配信するのが英進館である。大学受験の指導力はないのにさもあるかのような誇大宣伝を駆使して生徒数を伸ばしているようだ。九代医学部に数十人合格するなどありえないのに平気でそれを実績として宣伝する手法は永瀬産業の差し金であろう。本来消費者庁が調査してしかるべき架空の実績をもとにして営業をのばしている英進館に、金融会社が投資をするのが不思議である。実績はない物にあるかの如く装い融資を実行するのは、銀行への背任行為、ひいては株主を裏切る行為である。決算書はでたらめな会社が東進の嵩下に隠れて粉飾決算を行ってきたのだから、あきれてしまう。
教育はお金で換算できるしろものではないことを彼らは肝に銘ずるべきである。教育で儲けようと思うやからはもっとdirtyな人達とdirtyなbusinessをすればよいのだ。純粋で、無垢な子供たちをdirtyな連中の手に預けてはいけない。昨今の安逸な手法に乗せられずにじっくりと勉強はするべきである。
  • Yahoo!ブックマーク
- | -




qrcode