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七年目の春

受験 2015.02.13 Friday msophia

私が予備校で長年教えてきた生徒が今年ついに合格した。三年前には私の塾にまで英語を習いにきた生徒だった。高校卒業した時は歯科大学へ入学したが、一念発起して医学部を目指し、予備校へ来た生徒である。確か予備校で四年間受け持ったが、ここ二年は僅差で不合格であった。気が弱いのか、勉強不足なのか、はたまた本番で力がでなかったのか、合格できなかった。仲間たちにおいてきぼりをされて孤独感も強かっただろう。
彼は高校卒業して総計で七年という長い、長いトンネルをやっとくぐり抜けたのであるが、本来がお人好しで、人と競り合うのが得意でない彼は、私が担当する英語は上達した。予備校全体でトップになるくらいの力がついた。だが、数学は本来得意でないために本番では知らない問題への対応が弱かったのだろう。化学、生物が選択だから、物理、化学選択組のように高得点がとれる可能性は低い。いろいろあった負の状況を克服してやっとつかんだ医学生への切符、大切に活用してほしいものである。
もう一人長いトンネルを抜けた生徒がいる。女子生徒だが、この子も予備校で教えた生徒だった。一年で予備校を出て、故郷の鹿児島へと帰り、地元の予備校へ通っていた。二年間は鹿児島から私の塾まで習いにきていたが、ようやく合格できた。「こんなに一次試験に合格して、忙しくて大変です」と嬉しそうにいっていた。女性の医学部合格は非常に難しい。数学、化学の計算、物理等すべてが女性が苦手とするものだろう。「女の感情を捨てないと理数科目はできないよ」と私は、医学部希望の女子には日ごろから言うようにしている。医学に合格したのちは、十分に女性の細やかさ、機微にふれる感情の配慮は生かしてもらいたい。
昨年も一人七年目の春を迎えた生徒がいた。私が数学を一年間指導してあげたら偏差値が70まで伸びて、合格した。合格をしったとき大泣きをしたそうだ。この生徒は英語が平均程度しかできない(福大の薬学程度は合格できていた)
のがひとつの理由。数学は計算力だ劣るのと、難度の高い問題を解いた経験がないために、未体験ゾーンに入るとさっぱりダメになるという、症状をもっていた。彼は久留米の予備校付属の医師にょび校で七年間いたのだが、もっと速く合格してもいいはずの生徒だった。
長いトンネルを抜けたら春だったというのが、彼らの今の実感だろう。長いトンネルを抜け切れずに挫折する人達は何かが欠けていることに、本人が気づかないでいる。患者の症状を確認もせずに医者は手術や、治療はできないという比喩の本質を実感しないかぎりは合格できないだろう。
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