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アメリカ金融界の食い物にされる日本

受験と経済 2012.06.23 Saturday msophia

ここ数年間の世界経済はまったくコントロール不能になった姿を露呈している。原発ならぬ世界経済のメルトダウンであり、原子炉暴走ならぬ金融資本主義の暴走である。社会がどうなろうと自分の金もうけしか考えないヘッジファンドなどの金融機関がグローバル経済世界において各国政府を支配してこつこつ働く者から職を奪い、まともに生きていけなくし、世界経済をぶっ壊しているのである。給料1億円もらう連中が真面目に働く人達からお金を奪う図式では異常である。

 アメリカは戦後資本主義世界で圧倒的に優位な地位をえた。しかし1970年になると、ドル危機が進行して金ドル交換停止をせざるを得なくなった。一方では、ベトナム戦争でドルを垂れ流し、もう一方では舎弟とした日本やドイツの重化学工業化が進んでアメリカの産業を凌駕しはじめたからだった。戦前アメリカと刺し違いで戦争をした日独には遅かれ早かれアメリカを凌ぐ基盤があったことを、アメリカは看過していた。戦争で勝っても日独を牛耳ることはできなかった。

 ニクソンの金ドル交換停止で、戦後のいわゆるブレトンウッズ体制は崩壊したが、その後アメリカがやったのは情報力とあわせた金融立国路線であった。軍事力に裏打ちされた「強いドル」を標榜して世界中の資金を集め、大借金で消費をつくり経済を回すという芸当であったし、金融派生商品というイカサマ金融技術開発による金融投機であった。それは市場原理、新自由主義と称して、個別資本の金もうけの障害になるすべての規制の撤廃であり、医療、教育、福祉、文化など社会的な機能の破壊であった。なによりも労働規制の撤廃であり、奴隷労働を世界中にまん延させ、何千億円もの資産を持つ大富裕層が生まれる一方で飢餓状態にある貧困市民の蓄積であった。アメリカこそが最大の博打屋となった。実力以上にドルを印刷して、大量の国債を発行をし、それを日本に買わせる。借金を減らすにはドル安にする。

 そしてリーマン・ショックは、アメリカのこの間の金融資本主義の破綻だった。返済能力のないアメリカ貧困層に貸し込んだサブプライムローンなどを組み込んだ証券をつくり、それを格付け会社が優良証券と評価し、世界中に買い込ませていたのが、アメリカの住宅バブルが破裂したことによって崩壊した。イカサマ証券をかかえた金融機関がマヒしたのを、アメリカでもヨーロッパでも「自己責任で自己処理をしろ」といわずに、膨大な公的資金投入で救済し、また量的緩和による紙幣の大増刷で破たんをごまかし回避してきた。そこに、またユーロ危機が来たのである。


 こうなると国はプライドをかなぐり捨てて自国通貨の切り下げに躍起になってきた。それは通貨安で自国産業の競争力を強め、近隣諸国の犠牲で危機を乗り切るためである。大恐慌のなかでは、国内の産業破たんと失業、貧困が国内の危機を深刻にするからである。
 歴史的にみても、世界大恐慌が起きた1930年代も似たような通貨切り下げ競争が起こっており、他国による関税引き上げなど輸入を規制する保護主義が台頭して、やがてインフレとなり最終的には軍事力で市場を奪いあう第2次世界大戦に突入していった経緯がある。 本来高く維持しておくべき自国の通貨の価値を競って切り下げるのは異常である。

 
 ヨーロッパもアメリカも通貨安を競い合っているなかで独り上昇しているのが円である。それはアメリカが必死に量的緩和をやってドルを刷りまくってきたことが最大の要因になっている。アメリカが抱えている債務を棒引きさせ、輸出をテコ入れするために意図的に仕かけているものだ。そして、「対日輸出を2倍化させる」(オバマ)といってTPPが持ち込まれ、アメリカの経済ブロックに縛り付ける動きとしてあらわれている。
 アメリカは日本を完璧な隷属下において発達した経済市場を奪ってしまうとともに、中国と対抗する。それが更に軍事的な緊張関係となって、普天間をはじめとした米軍再編や、1機50億円もする次期世代の戦闘機の配備、国内の重要港湾や自衛隊・米軍基地周辺の異様な軍事都市整備となっている。


 ここ20年アメリカの住宅バブルの最大の原資はジャパンマネーだったと言われている。円高も今に始まったことではない。超低金利を二十数年ずっと続けたおかげで国内に金は回らず、その分を欧米の金融機関が「円キャリ」で調達して、世界的なバブルをつくっていった。この間の低金利政策だけでも家庭収入を400兆円近く国民から剥ぎとってきた。そして、預けているはずの預貯金や年金資金も、金融機関が米国債やサブプライムローンのようなイカサマ証券を買い込まされて、相当部分がアメリカに巻き上げられ焦げ付いている。年金基金の消失どころではない、預貯金、保険、年金資金の消失である。ドル安と円高によって日本政府や金融機関が山ほど抱えていた米国債は、1法瓧隠横葦澆らいの時期と比較すると四割近く吹っ飛んだことになる。ドル安はアメリカの借金棒引き策となっている。アメリカでは住宅が生活の根幹である。家なき市民はデカイお金を借りれない。一人前とみられない。10年毎に家を買い換えて財産を増やして、更に借金をしてステイタスを上げるのが、American Dreamだった。今、それができずにもがいて、出口をさがしているのがアメリカである。


 そして大企業は「円高はチャンス」「海外企業の買収に有利」などといって、国内工場撤退、海外移転に拍車をかけている。農漁業もつぶした上に製造業もつぶしている。日本をつぶしてしまうのだ。日本社会に失業と貧困があふれるすう勢はひどくなるばかりとなっている。また円高は円の価値があがることだから何も悪いことはないといううものもいるが、それも限度モノである。円高は確実に国内産業を減らしていく、そして弱者から仕事を奪う。お金持ちは円高の恩恵に与る。大企業は円高対策が打てれば却って儲けてしまう。国内に張り付く中小企業は円高には迅速な対応ができない。


 国内の経済が疲弊し一般市民が貧乏になっていくなかで、民主党野田政府は消費税増税をやるといっていき巻いている。それはIMFすなわちアメリカが要求したものであり、そのためIMFへの拠出金を最近でも十数兆円ポンと出した。米軍再編への上納金は上限知らずである。そしてアメリカの要求するTPPをやって、日本市場のおいしいところを全面的に明け渡してアメリカの収奪にまかせることに必死になっているように見える。そこまでしないといけない程に日本とはアメリカの属国なのか?巨大空母、原子力潜水艦は日本を護るのではなくて、恫喝しているのか?


日本では選挙公約は破るのが常識となり、議会制民主主義はただのうたい文句にすぎないことが明白となった。政府はだれがやっても、アメリカとそれに従って金もうけをあさる財界の代理人であり、官僚機構やメディアやあらゆる権力機構の期待通りに動く仕かけとなっている。小沢、鳩山ラインが潰された理由はここにある。アメリカ覇権主義と官僚、マスコミ、財界から決別しない以上は、日本に真の独立はないと、小沢は考えていたのだ。アメリカ支配階層とマスコミ、財界からみると、小沢は危険分子である。潰すしかないのである。小沢も脇が甘かった。師である田中角栄もアメリカ支配層、官僚、財界、マスコミに潰された経緯を知っていたはずなのに。


 世界経済がこうなってしまうと戦争で借金をチャラにするしかないという暴論が現れる。平和ボケした日本人には理解不能だが、シリア、イランでアメリカは戦争をする気配がある。経済学者のなかには「1930年代の世界恐慌は第二次大戦によって克服した」「戦争が恐慌を乗り越える特効薬」などと主張してはばからない者まであらわれている。金融恐慌が深刻になり、世界的の資産、資源をめぐる争奪戦が激化する中で、盟主アメリカを救うためには舎弟の日本を食い物にし、戦争の盾にするというものである。平和憲法などへのつっぱりにもならない。官僚、マスコミ、財界はアメリカべったりだから、日本市民の利益を考える頭はない。


 為政者が国民が生きるためになにかをやるという期待は縁遠いものとなっており、私達は生きていくためにはたたかわなければいけないのだと痛感している。



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