お酒は麻薬です

酒と快楽ホルモン 2012.05.10 Thursday msophia

私の父はお酒が大好きであった。お酒を飲み始めると、止め方が分からないほどの酒好きであった。父の叔父は東大法学部を主席で卒業予定の2月末の時期に、地元の親戚などに挨拶して廻るさなかに、振舞われた酒を飲みすぎてしまい、線路を枕にねてしまったあげく、当時は三井電車と言われた「ちんちん電車」の始発に轢かれて死亡した。
まさに、酒で命をなくした典型であった。父は酒で命をなくすことはなかったのは、酒を飲めない血統の母親の
抑制が効いていたからである。

酒を飲みすぎれば、気持ちが大きくなり、高揚感も増し、日頃はしもしないようなことをしたり、或いはまたほら話をして後々ひんしゅくをかったりもするし、失敗談には事欠かないようだ。今では、こういった酒にまつわる失敗の根源も新型の機械のおかげで解明が進んでいる。私も、若い頃酒を飲みすぎての失敗談はある。私も酒好きの父の血統の影響は強いが、酒嫌いな母の血統が私に抑制しているために大酒を食らうことはない。大叔父の失敗談を幼少のころから聞かされていたのも抑制力を及ぼしているのだろう。


アメリカの某学者の実験ではアルコールを口から飲ませずに、静脈注射で体内に吸収させるという「酔えない手法」でしたそうだ。のん兵衛にとっては全く面白くないことであるが、 アルコールを注射したところ、被験者はたちの線条体と言われる脳部位に目立った反応が現れたのである。この辺りは快感を生み出す脳部位と知られており、「報酬系」と呼ばれる。すなわちアルコールは「快楽」だと判明したのである。

 一般的にいえば、酒は「酔って感覚を麻痺させる」ための嗜好品という印象があるだろうから、酒が「快楽」というイメージは湧きにくいかもしれない。また仮に「飲む」ことが快楽だったとしても、それは「うまい酒」を口から飲むからであって、実験のようなアルコールの注射となれば、話は別だという気もする。酒にはともかくいろんなものが絡む可能性があるから、ラボデータは机上の空論になりかねない。

 しかし、この実験において、アルコールという物質は、脳の報酬系を活性化して、多幸感ひいては習慣性を引き起こす。この意味で「クーブ説」(「すべての乱用ドラッグは線条体を活性化する」という仮説)は、アルコールにも当てはまると言えそうになったのは間違いない。

 この実験で重要なことは、「酔っている」という自覚の強さは、血中アルコール濃度とは相関関係が見られなかったことである。同じく、アルコールによって惹起される脳活動の強さも血中アルコール濃度と相関関係がなかった。つまり、アルコールの摂取量や代謝速度は、直接的には自覚症状と強く関係しないということになる。逆に、「酔っている」という感覚に相関するのは、線条体の活動強度そのものであった。これが、常識的な想像とは異なり、重要なことである。 私も若い頃に一度だけ友人の前で酔った振りをしてみたら、相手は私をてっきり酔っていると勘違いしたという、面白い体験がある。自分が酔っているんだと脳にトリックをかけたから、線条体が活性化したのだろう。意識が酔った感覚を作り出せるのである。飲まずとも、酔えるのである。

この研究でははさらに興味深い実験を行っている。被検者に顔写真を見せたのだ。通常、私たちは「恐怖におののく表情」を見ると不安に駆られる。不安感は伝染するのだ。実際、「恐怖におびえる顔」を見たとき、扁桃体や帯状皮質などの不安情動に関係する脳部位が活性化することが知られている。

 ところが、この実験によれば、アルコールを投与した人では「恐怖におびえる顔」の写真を見せても、脳に強い不安反応が生じないという。恐怖を恐怖として正しく認識できなくなってしまっているのだろう。酒を飲んだ時のあの「でっかくなった気分」や「大胆な高揚感」と味わったことのある人だったら、直感的に納得できるデータに違いないといえそうだ。戦時中に巨大戦艦大和の乗組員が沖縄特攻攻撃出陣の前日に、総員無礼講で酒をのんだそうだが、それも恐怖感を和らげ、高揚感を盛り上げることが目的であっただろう。

私の父は「酒を飲めない人はかわいそうだ」とよく言っていたが、多分「酒のもたらす快楽」を存分に知ったうえでの意見だったのだろう。私は父のような酒好きでないから、酒を快楽物質だとは認識できない。おかげで、他の方法で快楽物質を作り出している。タバコも止めたし、車をぶっ飛ばして快楽物質を得ようともしなくなった。

生徒たちにいろんな話題に関して自分の個人的な意見を言ったり、学生時代の話をしたり、混迷を深める経済的な現状について解説したり、はたまたこういったブログをかいたりして、快楽を得るようになった。酒代がおおいに浮いてしまう経済効率のよい手段である。大酒をくらわないから、仕事もスムーズにやれる。

酒に依存して快楽を求める酒飲みさん達は、度を過ぎると悪循環に陥り、最後は肝臓を悪くする危険性も高い。アルコール依存症を止めるために合宿もするそうだが、脳は覚えた快楽は忘れないから、難しいだろう。気持ちのよいことは脳はすぐに覚えてしまうからだ。

アルコール依存症が強い人は、酒だけでなく、酒を飲む場所、酒を飲む相手、お酌をしてくれる女性、酒とカラオケ、などいろんな複合的な快楽をあくなき根性で追及するから、やっぱり止められないだろう。酒の切れ目は、肝臓が悪くなるか、お金かなくなるかしない以上は無理だろうか。酒の過剰摂取で若くして死亡した川島エイゴの唄はすきだったが、彼の歌は真の酒好きのエッセンスがこめられている。

受験生には、特に医学部志望者にはかなりの高齢者がいるために、酒、タバコという快楽物質にすっかりとりこになっているものもいる。タバコをすわないと頭がきれなくなるという意識があれば、間違いなくタバコ中毒だという自覚をもつべきである。試験中はタバコもアルコールも禁止だから、集中力がでずに失敗することもおおいだろう。
 
逆に、勉強ができる生徒は勉強が快楽をもたらすドラッグとなってしまうから、一旦勉強に馴染みだすと、止めなさいと言っても、止めなくなってしまう。度をすぎてしまうと、研究室に閉じこもってしまうかもしれないが、、、、
スポーツ好きな人はいくつになっても身体を動かすのをいとわない。

現在、視聴率が下がって困っているNHKの「平清盛」に登場する「後白河方法」は無類の遊び人であったそうだが、快楽追及の度合いが強く、権力志向も強かったと思われる。遊び女を御所内に入れてともに舞い、唄を歌い、酒色をとともとしたという。豪傑、英傑の類であったのだろう。酒を飲めない男子は英傑、豪傑には縁がなさそうに思えるが
さてどうであろうか?ちなみに、明治天皇も10代から酒を飲んでいたそうで、風貌もいかにも英傑らしく見える。
現在の皇太子、秋篠宮兄弟もお酒が好きだそうで、天皇家は酒好きの血統といえよう。

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