英語を英語で読む。。。

教育と文部省 2006.11.10 Friday msophia

ソフィアに来る高校生の一人が、なかなか英語の和訳がうまくなれずに苦労をしているからどういう勉強をしたらいいのだろうかという質問を受けた。この生徒は中学までは英語は得意だったのが、高校入学以降さっぱり英語が伸びないらしい。私が色んな問題を解かせてわかったことは、単語力はないし、文法力も弱い、とりわけ和訳のコツをさっぱり知らないのだ。私も英語の和訳の分野が高校2年くらいまで模擬テストで得点が低かった覚えがあるが、修飾語句の処理法くらいは分かっていたと思う。


この生徒に学校での授業振りを尋ねてみたところ驚くべき事実が分かった。それは、英語担当の教師が和訳のコツなどさっぱり教えないで、「英語は英語で読むのがベストである」から「いちいち日本語に訳しないで英語を読めるようになりなさい」と言っているらしいのである。言わんとすることは、逐語訳的な読解は時間がかかるし、なるべく早く大意を掴むことが正しい読み方だということだろう。私も河合塾で英語教師をしていたころ、確かそういったことを生徒の前で言っていた覚えはあるが、inside meaningを早く掴むということと、きちんとした日本語に和訳することは全く矛盾しないし、和訳をきちんととらないと文の内容を掴めない場合も多々あるのだ。特に日本語と英語は全く接点が少ない言語であるだけに、英語苦手な人はどこから訳を始めるべきかも分からないのではないだろうか。


センター英語のような易しい素材は馴れてしまえばrapid readingしていけるだろうし、すべきだとおもうが、国立大學の二次問題は和訳のコツを掴まない限りは、得点はできないと思う。最近の高校では講文を使った英訳練習もしないで、長文をザーッと読ませるのが主流のようだが、そういう教え方では英文を正確に日本語に直すことを生徒には教えられないのではないかと、私は思う。更に最近では構文に関する参考書等が店頭から消えつつあるために生徒達も独学しようとしても素材不足に泣かされているのではないだろうか。現在構文の本で使えそうな店頭の問題集は極少数である。それら参考書も、英語苦手な生徒にはかなりハイレベルだろう。となると、和訳を苦手とする生徒達は結構難しい内容の英文を読んで自分なりに和訳のコツを掴まざるを得ないのが現状のようだ。高校1、2年に使える構文テキストの編集が非常に望まれる次第である。


私は予備校で教えてきた経験を生かして作った講文テキストをソフィアで使用するが、和訳苦手な生徒はきとんとした日本語に直せるようになるのに、半年以上はかかるのが現状である。10年前に比べると難解な和訳の出題は減ったが、それでも今の生徒達は完訳できないでいるということを、現場の先生方はもっと真剣に受けとめるべきではないだろうか。基本的な和訳のコツはきちんと教えてあげないと生徒達が可哀想だろう。文部省が文法偏重の授業は止めるように通達を出したのが10年前くらいだったと思うが、役人の押し付けがましい現状無視の教育方針がここでもほころびを見せていると思う。文法と構文の授業数を減らさせ、速読重視の英語教育への切り替えで生じている結果に対して文部省の役人や教育審議会のメンバーは何か痛痒を感じているのだろうか?彼ら方針は英語が元来苦手な人達のことを全く無視した冷たい政策だと、私は思うのだが。
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